ブラームスはお好き(かなっくホール カシオペイア クアルテット演奏会) 東神奈川 かなっくホールでのカシオペイア クァルテットのコンサートを聴いてきた。とてもいい、充実した演奏でした。特に最後に演奏されたブラームスの3番が良かった。名演だった。音楽ホールは300席でライブ過ぎない、デッド過ぎないくらいのちょうどよい響き。 室内楽や小編成のオーケストラが聴きやすい。 今回はホール専属クァルテットによる演奏会。 後半に演奏されたブラームスの第3番は 私にとっては余りよく聴く曲ではなかったが、ブラームス最後の弦楽四重奏曲で複雑な曲だ。 やるせない切なさが感じられ、最後の楽章が幾分明るく、元気に終わる。 第3楽章はヴィオラが主導する印象的な楽章。 ブラームスの音楽の魅力は、ヴィオラの魅力だとよく言われるが、まさにその通りだった。 年寄りを泣かせる曲だ。 そういえば、ブラームスの恩師でもあったシューマンもブラームスと同じく交響曲を4曲、弦楽四重奏曲を3曲遺したが、 単なる偶然の一致だとは思わない。 ブラームスを理解する鍵だと思う。 クァルテットのメンバーは全員がオーケストラ奏者だが、ち密なアンサンブルの良さに特色が表されていた。 1stヴァイオリンとヴィオラの奏者が印象的だった。 今までのつたない音楽体験で、女性の、いい1stヴァイオリンがいるクァルテットは、いいクァルテットが多いと思っていたが、その通りだった。 来年はシューベルトをやるそうだが楽しみだ。 アマデウス弦楽四重奏団によるブラームス 弦楽四重奏曲 第3番 lifestye/music/concert カシオペイア クァルテット
横浜開港記念コンサート(古楽器の響きで味わうモーツァルト) 横浜開港記念会館講堂で行われた、古楽器によるモーツァルトの協奏曲と交響曲ーⅡ演奏会を聴いてきました。曲目はピアノ協奏曲 第23番 イ長調 KV.488交響曲 第39番 変ホ長調 KV.543バセット・クラリネット協奏曲 イ長調 KV.622の3曲です。演奏はアンサンブル山手バロッコ、ソリストは荒川 智美(フォルテピアノ)満江 菜穂子(バセット・クラリネット)です。いずれの演奏題目も、モーツァルトの大人気作品とは言えないかも知れないが、私の大好きな名曲揃いです。ずっと楽しみにしてました。 lifestye/music/concert mozart
大倉山ジョイフルコンサート 長尾春花&實川風 デュオリサイタル 奇数月の日曜日の午後、大倉山記念館ホールで開催されるコンサートを聴いてきた。東横線の大倉山駅から線路沿いに坂道を上ると白亜の建物が見えてくる。このホールで若手の実力派を招いて格式張らない、地元の音楽愛好家を楽しませる集いが行われている。 今日は春花さんと風(カオル)さんのヴァイオリンとピアノのデュオです。前半はヴイターリのシャコンヌとブラームスの第2番のヴァイオリン・ソナタが演奏された。 私のお目当てはブラームスで、3曲あるソナタの中で特に2番が好きです。中年男性の憂鬱感と切なさが相交じり、懐かしさを覚えるフレーズが垣間見えるような、熟年以上の男性には共感できる曲だと思います。春花さんの演奏前の説明によると3曲の中で一番静かな曲だと言うことです。若い女性ソリストが熟年男性の心理を理解できるのかしらなどと思ったりしました。 演奏が始まると納得できました。きれいなだけではなく肉付きと厚みのあるとてもいい弦の響きです。繊細さと大胆さの両方を備えています。ドラマチックな演奏でした。 後半は小曲を集めたプログラムで、風さんのサポートも素晴らしくて、充実して満足できた、いいコンサートでした。 music lifestye/music/concert 大倉山ジョイコン
大倉山カルテット(入魂のチャイコフスキー) 今日は大倉山ジョイコン(ジョイフルコンサート)の5周年記念特別演奏会に招待された。月日の経つのは早いもので、もう5年か。最初の数回は聴き逃したので、第一回目の大倉山カルテットの演奏は聴けなかった。大倉山カルテットは常設のカルテットではなく、大倉山ジョイコンを記念するシンボルだ。4回目の登場。バイオリンの對馬哲男、ビオラの鈴村大樹 以外は演奏会によりメンバーが替わっている。 大変贅沢な日曜の午後からの晩餐会。 今日のメニューの前菜はモーツアルト 弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K.421オードブルはウエーベルン 弦楽四重奏のための緩徐楽章メインデイッシュはチャイコフスキー 弦楽四重奏曲第一番 ニ長調 Op.11 いずれもロマン的な情緒の濃い名曲だ。プログラム選曲がなかなかだ。 演奏のつたない感想としては、常設のカルテットではない分を有り余るほど補って、演奏の喜び、楽しみが伝わってくるいい演奏だったと思う。大倉山記念会館の天井の高いホールに弦の響きが美しく、鮮明に鳴る。演奏者が、響きが巻き上がるようだと、ホールの感想を述べていたが、この演奏効果も演奏者の技量の賜物だと思う。 やはりトリのチャイコフスキーが一番面白く聴けた。アンダンテ・カンタービレがあまりに有名な割には、第一番を演奏会で聴く機会は少ないと思う。チャイコフスキー若書きの作品なので、チャイコフスキー節炸裂とはいかないが、素直なすっと心に入ってくるいい曲だと思った。 先が見えてきている年寄りには思いがけないほど贅沢な日曜日の午後だった。--------------------------------------------------------------------------------- 伝説のカルテット、ボロデイン弦楽四重奏団によるチャイコフスキーの弦楽四重奏曲 第一番です。第2楽章 アンダンテ・カンタービレは聴きどころ。 music lifestye/music/concert 大倉山ジョイコン
ヴィオラの魅力 ー 田原綾子 リサイタル 昨日は大倉山でヴィオラのリサイタルを聴いた。 大倉山ジョイコンでヴィオラのリサイタルは初めてのことではないだろうか。そのくらい、ヴァイオリン等と比べて地味な弦楽器と思われているが私の大好きな楽器、演奏が楽しみだ。 曲目は シベリウス ロンド JS162 グリンカ ヴィオラソナタ ヒンデミット 無伴奏ヴィオラソナタ 作品25-1 森円花 Aoide (2019年 田原綾子委嘱作品) ブルッフ ロマンス クラーク ヴィオラソナタ 演奏者は 田原綾子 ヴィオラ 原嶋唯 ピアノ伴奏 Aoideを作曲した森円花さんも会場にいらっしゃいました。 今回、初めて聴いた演奏家たちだったが、なかなか凄いなと思った。お目当てはヒンデミットだが、よく演奏される抒情性さえ感じる「ヴィオラとピアノのためのソナタ 作品11-4」ではなく今回、無調風な無伴奏ヴィオラソナタが選曲されたのが凄い。全5楽章の曲なので、演奏するほうも聴くほうも大変だ。この演奏でヴィオラ奏者でもあったヒンデミットの傑作であることがよくわかった。ここまで激しいヴィオラの響きを聴いたのは初めてだ。この演奏者はヴィオラ演奏の幅を広げて限界を超えようとしているなと感じた。やはり、後生畏るべし。 委嘱作品のAoideも小品ながら充実して、聴きごたえのある曲だった。アンコールの最後は森円花編曲による日本の唱歌「浜辺の歌」だった。年寄りにはうれしい曲だ。 演奏中の真剣な表情とは打って変わって、アンコール後は素敵な笑顔でした。 music lifestye/music/concert 大倉山ジョイコン